スプーンで塩味!?
電気の力で塩味・旨味を増す「エレキソルト」
キリンホールディングスが微弱な電流により擬似的に塩味を強くするスプーンとお椀を開発しました。2023年の発売を目指してます。
人体に影響しない微弱な電流でナトリウムイオンの動きをコントロールして、塩味のもととなる塩化ナトリウムやうま味のもととなるグルタミン酸ナトリウムなどが持つイオンの働きを調整します
「エレキソルト」という技術を採用したカトラリーは、内蔵のバッテリーにより通電しながら食事を摂取することで、塩味や旨味が増すように感じられるものです。
食品に含まれる塩味のもととなっているナトリウムイオンの動きを、特殊な波形による電流によってコントロールすることで、舌で感じられる塩味・旨味が強調されるとされています。
これを用いることによって、疑似的に食品の味の感じ方を変化させる減塩食の味わいを増強させます。
減塩生活者を対象とした電気味覚による塩味増強効果の調査が行われ、減塩を意識した食生活を送っている40~65歳男女31人を対象に、試験用食品を食した際に感じた“塩味”についてアンケートしたところ、31人中29人が「塩味が増した」と回答したそうです。
しかも電気刺激を付与しない条件と比較して、塩味が1.5倍程度増強される結果が得られたとしています。
「エレキソルト」の技術を採用したスプーン(左)お椀(右)
スプーンは汁物をはじめ幅広い食事に、お椀は主に汁物にそれぞれ使える
塩味のある食品内にはナトリウムイオンが散在していて、口に含んで舌を通過するときに、ごく一部だけが味として知覚できるのだという。知覚できずに単に通過してしまう味が大部分を占めており、「エレキソルト」はそうした通過してしまうような塩味・旨味も集約して知覚できるように働くんです。
健康上の理由から減塩食を摂らざるを得ない人、あるいは健康のために減塩食を進んで摂取している人にとっては、食事中の塩分を一切増やすことなく満足度の高い食生活を送れる手段として助かりますね。