チーターの代償が大きすぎる件について
この容姿端麗な生き物はチーターと言い、世界最速の陸場生物になります。
チーターの最高速度は驚異の時速120キロに達し、このスピードは私達霊長類の誇りであり「最速のサル」パタスモンキーですら霞んで見えるほどです。


さらにチーターは加速力も凄まじく、なんと3秒で時速100キロに到達し瞬間的に停止する減速力も兼ね揃えています。
この卓越した能力は無駄を省いた体の構造により実現されており、チーターは頭を小さくし体重を極限まで軽くしています。
実際チーターの体重は50キログラム程度で体重が200キログラムを超えるトラやライオンと比べると遥かに軽く、また爪を引っ込める機能がないことも特徴的です。
このようにして圧倒的な走力を手に入れたチーターですが、その代償として致命的な欠点があります。
それは嘘みないに体力がないことです。チーターは足が速いだけで持久力は後期高齢者レベルなんです。10秒も全力疾走すればバテてしまい獲物を捕獲しても30分の休憩を挟んでからしか食べることができず、その間にライオンやハイエナに餌を奪われてしまいます。
また、チーターは戦っても弱いため諦めてその場から逃げるしかありません。
こうして速さの代わりに体力と強さを失ったチーターですが、奇しくも同じサバンナでさらに大きな物を失った生物が存在します。
それは…奇跡のアホ「ダチョウ」です。
ダチョウは鳥類なのに飛もせず地上をアホみたいに爆走しています。さらに意味不明なことに体重150キログラムの巨体でありながら2足で時速70キロのスピードで走れ、2足歩行する生物で最速と言えます。
また、回復力と免疫力も凄まじく怪我や病気をものともせず強靭な肉体を兼ね揃えています。このように身体能力を持っているダチョウですが、代わりに大切な物を失いました。それは…知能です。
ダチョウは、桁違いな身体能力の代償として小さい脳ミソを獲得し知性が消え去りました。これこそが考えることも覚えることも奪われてしまった生物です。
チーターの代償などダチョウと比べたら痛くも痒くもありませんね。
それが、まだマシだった生き物チーターです。
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